Q. インフレを抑えるにはどうすればいいのか?
A. 基本的な手段は「金利を上げる」ことだ。お金を借りるコストが上がると消費と投資が冷え込み、物価上昇が抑えられる。この判断をするのが中央銀行(日本では日本銀行)だ。
金利を上げるとなぜ物価が下がるのか
① 消費が冷える
預貯金の利回りが上がり、「今使うより貯めた方が得」になる。住宅ローンなど借入の返済額も増えるため、家計の消費が抑えられる。
② 企業の投資が冷える
資金調達コストが上がるため、企業が新規投資や設備投資を抑制する。経済活動が鈍り、モノへの需要が減る。
③ 円高になり輸入物価が下がる
金利が上がると円が買われやすくなり、円高に向かう。輸入品のコストが下がり、エネルギー・食料品価格の上昇が和らぐ。
実際の例——FRBの急速な利上げ(2022〜2023年)
コロナ禍後のインフレ(最大9%超)に対し、米国の中央銀行FRBは約1年で政策金利を0.25% → 5.25%まで急速に引き上げた。その結果、インフレは2%台まで鎮静化した。
「金利を上げてインフレを抑える」は教科書通りに機能した事例だ。
ただし、金利を上げることにもコストがある
企業の資金調達コストが上がり、倒産が増えやすい。変動金利の住宅ローンを抱える家計の返済額も増える。そして国債残高が大きい国では、利払い費が急増するという問題が生じる。
これが「日本がなかなか金利を上げられない」最大の理由につながる。