もっと知る

Q. インフレが進むと、税収はどれだけ増えるのか?——国税・地方税で伸びに2倍の差がある理由

A. インフレより速く増える。2020〜2024年度で物価が+8.5%のとき、国税は+25.7%、地方税は+13.4%伸びた。税の構造上、インフレは財政にとって強力な追い風になる。

2020年度を基準(0%)とした累積増加率

出典:内閣府 国民経済計算年次推計 付表6(2)(GFS、発生主義)、総務省 消費者物価指数(総合、2020年=100)。

国税がCPIの3倍速で増える理由

消費税:物価と自動連動

税率は変わらなくてもモノの値段が上がれば税額も増える。インフレそのものが税収増になる最もシンプルな仕組み。

法人税:企業利益の増加を直反映

値上げで売上が増えると利益も増え、法人税がそのまま増える。コストより先に価格を上げられた企業ほどこの効果が大きい。

所得税:累進制の「超過効果」(ブラケット・クリープ)

名目賃金が5%上がると、所得税は5%以上増える。給与が高い税率の区分に入るほど税額の増え方が急になるため、物価より速く伸びる。

地方税が遅効性になる理由

個人住民税:一律10%

所得税と違い、住民税はどの所得でも一律10%。名目賃金が上がった分だけしか増えない。累進の超過効果がない。

固定資産税:3年ごとの評価替え

土地・建物の評価額は3年に一度しか見直されない。地価や建物価格が上がっても、税収への反映が最長3年遅れる。

まとめ

インフレは税収の強力な追い風で、特に国税は物価上昇率を大幅に超えて増える。ただし「当初予算」の税収は実際の確定値より大幅に低く見積もられるのが近年のパターンで、インフレが収束したり企業業績が悪化したりすれば、この追い風は止まる。