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Q. 補正予算ってなんだ?なぜ赤字国債が必要になるのか?【2026年】

A. 年度の途中で当初予算に不足や変更が生じたとき、追加で組む予算のこと。通常予算とは別に国会で審議・成立させる。

当初予算と補正予算の違い

当初予算

年度開始前(3月末まで)に国会で成立させる本来の予算。1年間の収支計画の基本。

補正予算

年度途中に組む追加予算。大規模災害・経済危機・物価高騰など「当初想定外の事態」に対応するために使われる。

補正予算が必要になる主なケース

災害対応——大地震・台風などで当初予算では賄えない復旧費用が発生する
物価高・エネルギー対策——原油高騰などで電気・ガス・ガソリン補助に追加資金が必要になる
景気対策・給付金——不況対応や定額給付金など政策的な支出追加
税収の下振れ補填——想定より税収が落ち込み、当初の歳出を維持できなくなる場合

財源はどこから出てくるか

① 予備費の流用

当初予算に積んでおいた予備費(令和7年度は約2.4兆円)を充てる。すぐ使えるが額に限りがある。

② 剰余金・国債整理基金

前年度の税収余剰や積立金を取り崩す。財政上のダメージは比較的小さい。

③ 赤字国債(特例公債)の新規発行

予備費や剰余金で足りない場合、国債を新たに発行して借金する。財政悪化に直結するため、財政規律上は最後の手段とされる。

2026年度補正予算の背景(2026年5月時点)

米・イスラエルによるイラン攻撃で中東情勢が混迷し、原油価格が上昇。高市首相は2026年5月18日、補正予算の編成を正式に指示した。

・ガソリン補助:月2,000〜3,000億円

・電気・ガス補助(7〜9月):月5,000億円規模

・予備費の残高:前年度分合わせても約2兆円

・不足分の財源:赤字国債の発行が不可避との見方

補正規模は国民民主党が主張する3兆円が叩き台とされ、4〜5兆円との見方もある。

懸念される「金利への影響」

補正予算で赤字国債が増えると、国債の発行量が増加し、長期金利の上昇圧力になる。2026年5月18日、長期金利(10年国債)は一時2.800%と1996年10月以来29年半ぶりの高水準を記録した。

金利上昇が怖い理由

日本の国債残高は1,000兆円超。金利が1%上がると利払い費が数兆円単位で増え、さらに財政を圧迫する悪循環(財政ドミノ)に陥るリスクがある。

政府内では「1998〜99年の運用部ショック(金利急騰)の再来」を懸念する声も上がっている。

霞が関の「補正回し」という抜け穴

本来「緊急・例外的な対応」のはずが、日本では毎年度のように組まれる慣行になっている。その背景に「補正回し」と呼ばれる構造がある。

「補正回し」の仕組み

① 各省庁が当初予算の要求額をわざと少なく申請する

② 財務省の厳しい査定を(少ない金額で)通過する

③ 年度が始まってから「足りなくなった」と言って補正で積み増す

④ 補正は審議が短く査定も甘いので通りやすい

最初から必要とわかっていたお金を、査定の甘い補正で後から取る——という計画的な抜け穴だ。国会審議を実質的に骨抜きにしており、財政規律の面でも民主主義の面でも問題がある。

高市政権の「脱・補正」——何が変わるのか

2026年、高市政権は「補正予算からの脱却」を掲げた。ただし「補正予算を一切やらない」ではなく、「補正回しをやめて、必要な予算は最初から当初予算に入れろ」という話だ。

続けること:本当の緊急対応

災害・有事など、本当に想定外の事態が起きた場合の補正は引き続き認める。

やめること:計画的な補正回し

最初からわかっていた予算を補正で後付けする慣行をやめ、当初予算で一本化する。

「言ってることとやってることが違う」という批判

「脱・補正」を宣言した高市政権は、その直後にエネルギー対策名目で補正予算を組み、その中に2兆5,000億円の「中東情勢等対応予備費」を積んだ。補正+予備費の二重の抜け穴を使えば、国会審議なしに政府が自由に使える財布が逆に大きくなる——「言葉は正しいが、実際は便宜主義的」という批判が出ている。