Q. 基調的なインフレ率ってなんだ?
A. 表面上のCPI(消費者物価指数)からエネルギー・円安など一時的な要因を除いた、「国内の需要や賃金によるインフレの基調」のこと。日銀の公式用語は「基調的なインフレ率」で、金利を動かすかどうかの主要な判断基準になる。
なぜCPIだけでは判断できないのか
CPIが上がっていても、原因が「輸入エネルギー高」や「円安」なら、利上げしてもそのコストは下がらない。日銀が本当に知りたいのは「国内の需要・賃金の過熱によるインフレか」どうかだ。そのために一時的な要因を除いた基調的なインフレ率を別途計算する。
需要が多すぎる・賃金上昇が続く → 基調物価が2%超で安定 → 冷やす必要がある
エネルギー・円安のせいで物価高 → 基調物価は2%未満 → 利上げしても意味がない
日銀が使う3つの測り方
「一時的な要因をどう除くか」に正解はない。日銀は3つの方法で計算し、方向が揃っているかを確認する。
価格変動の大きい品目を上下から一定割合除いて平均をとる。最も広く使われる代表的な指標。
品目を価格変化率順に並べ、真ん中の値をとる。急激な変化に引っ張られにくい。
最も多くの品目が集中する変動率。小幅な変化に敏感で、広がりを確認するのに使う。
3つが揃って2%を安定的に超えてくれば、日銀にとって「次の利上げ」の根拠になる。1つだけ高くても「一時的」と見なされやすい。
日銀が金利を動かすかどうかの判断基準。表面上の物価(CPI)ではなく、一時的な要因を除いた「基調」を3つの方法で測る。これが安定的に2%を超え続けるかどうかが、次の利上げの合図になる。
3指標の読み方
刈り込み平均:上下の極端な品目を除いた平均。最も広く使われる。
加重中央値:価格変動の中間値。急激な変化に反応しにくい。
最頻値:最も多くの品目が集中する変動率。小幅な変化に敏感。
出典: 日本銀行「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(2020年基準)2026-05-26公表分