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Q. 春闘で賃上げしても、実質賃金がマイナスになるのはなぜか?

A. 名目賃金は「給与明細の数字」、実質賃金は「物価上昇分を差し引いた本当の購買力」。物価が上がるスピードが賃上げより速ければ、給与が増えても生活は苦しくなる。

名目賃金と実質賃金の違い

名目賃金

給与明細に書かれている金額そのもの。春闘の賃上げ率がそのまま反映される。

実質賃金

名目賃金を物価上昇率で割り引いた値。「実際にどれだけ買えるか」の尺度。

たとえば、名目賃金が3%上がっても、物価が4%上昇していれば実質賃金は約-1%だ。手取りが増えても、モノの値段がそれ以上に上がっているので「生活が苦しい」と感じる。

春闘賃上げ率と実質賃金

毎年3〜4月に連合(日本労働組合総連合会)が春闘の結果を集計する。日銀はこの賃上げ率を「名目賃金の動向を示す先行指標」として注視するが、最終的に重視するのは実質賃金がプラスになるかどうかだ。

2023年3.58%→ 物価高騰に追いつかず、実質賃金は-2.5%
2024年5.10%→ 30年ぶりの高水準。実質賃金がようやくプラス転換
2025年5.46%→ 連合 最終集計。2年連続5%超

実質賃金・名目賃金 前年比の推移

青棒=実質賃金プラス、赤棒=実質賃金マイナス、灰色破線=名目賃金。

なぜ日銀は「賃金」を最も重視するのか

「賃金が上がる → 消費が増える → 企業が価格を上げやすくなる → また賃金が上がる」という好循環が持続するかどうかを確認するためだ。実質賃金がプラスでなければ消費は増えず、この好循環は成立しない。2024〜2025年の実質賃金のプラス転換が、日銀の利上げ継続判断を後押しした。