Q. なぜ、現役世代は多額の年金を負担し続けなければならないのか?
A. 過去の約束が法的に守られており、やめると即座に社会が崩壊するから。そして、制度を変えようとする政治家が選挙で負ける構造になっているから。
年金は「自分の積立」ではなく「今の高齢者への仕送り」
現役世代
保険料を払う
今の高齢者
年金を受け取る
これを「賦課方式」という。自分が払った保険料は今の高齢者に渡り、自分が老後に受け取る年金は将来の現役世代が払う。「積立」ではなく「仕送り」の連鎖。
制度設計時(1960〜70年代)の前提が、全部崩れた
設計時の前提
現実
人口は増え続ける
少子化で現役世代が激減
経済は成長し続ける
失われた30年で給与が上がらず
平均寿命は今より短い
長寿化で受給期間が大幅に延びた
前提が全部崩れたのに、「高齢者を社会全体で支える」という約束だけが残った。
同じ「年金制度」なのに、世代で全く別のゲーム
団塊世代(1947〜49年生まれ)
圧倒的に得をした世代
1970年代生まれ〜
払った額を回収できない可能性
なぜ賦課方式をやめられないのか
① 過去の約束を破れない
今の高齢者は「払えば老後に受け取れる」という約束のもとで現役時代を過ごした。今更止めると財産権の侵害・違憲になる可能性が高い。
② 止めると即座に生活保護が必要になる
今の高齢者の多くは年金が唯一の収入。給付を止めた瞬間に数百万人規模で生活保護が必要になり、結局国の負担は変わらない。
③ 積立方式への移行コストが天文学的
今の高齢者への給付を続けながら現役世代が自分の老後分も積み立てると、負担が実質2倍近くになる期間が数十年続く。移行コストは数百〜1,000兆円規模と試算される。
民主主義の構造問題
65歳以上の有権者
約3,600万人
投票率 約70%
20〜30代の有権者
約2,500万人
投票率 約30〜40%
実際に投票所に行く人数では、高齢者の政治的影響力は若者の3〜4倍。制度を変えようとする政治家は選挙で負ける構造になっている。
※ 有権者数・投票率は直近の国政選挙(概算)。団塊世代の受給倍率は厚生労働省試算ベース。