節税のリアル

Q. なぜ「知っている人」と「知らない人」で手取りが全然違うのか?

A. 税制は「知っている人が合法的に得をする仕組み」になっている。同じ年収でも、立場と知識の差で手取りが年間数十万〜数百万円変わることがある。

年収600万円、でも手取りはこんなに違う

同じ「年収600万円相当」でも、どういう立場で稼ぐかによって手取りが大きく変わる。

① 会社員(給与所得者)

  • 給与所得控除・基礎控除 → 課税所得が下がる
  • 社会保険は会社と折半
  • 控除の種類が限られる

手取り:約430〜450万円前後

② フリーランス(個人事業主)

  • 事業経費を全額控除できる
  • 青色申告特別控除(65万円)
  • 国民健康保険・国民年金は全額自己負担

手取り:経費次第で大幅に変わる

③ マイクロ法人オーナー

  • 役員報酬を低く設定(所得税ほぼゼロ)
  • 法人で経費計上(社宅・旅費・退職金積立)
  • 社会保険は最低等級で加入

手取り:設計次第でさらに最適化できる

なぜこういう差が生まれるのか

日本の税制は長い年月をかけて様々な制度が積み重なってできている。それぞれの制度が作られた当時の背景・目的がバラバラで、全体として見ると「立場や知識によって有利・不利が生まれる」構造になっている。

代表的な「格差を生む構造」

経費計上の有無——サラリーマンは原則経費を引けないが、事業者・法人は引ける。同じ「仕事に使った費用」でも扱いが違う。
所得の種類による税率の差——給与所得は最高55%。株の売却益は一律20%。同じ額を稼いでも種類が違うと税負担が大きく異なる。
法人と個人の二重構造——法人は「経費を引いた後の利益」に課税されるが、個人は「収入-限られた控除」に課税される。

「不公平だ」と思う前に

この制度の差を「ずるい」と思う人もいる。ただ、これらの制度は基本的に全員に開かれている。法人を設立することも、iDeCoに加入することも、ふるさと納税をすることも、誰でも使える。

問題は「知っているかどうか」と「実行しているかどうか」だけだ。このタブで紹介する仕組みは、いずれも合法的に存在している制度。自分の状況に合うものを理解して、必要なら専門家(税理士)に相談するのが出発点になる。