節税のリアル

Q. 出張旅費・日当——なぜ非課税なのか?

A. 出張旅費・日当は所得税法で非課税と定められている。法人の「旅費規程」を作れば、役員・従業員に日当を非課税で支給でき、法人の経費にもなる。受け取った側も払う側も税負担ゼロの二重の恩恵だ。

所得税法9条が根拠

所得税法9条は「課税されない所得」を列挙しており、その中に「給与所得者の旅費」が含まれている。

非課税の対象

  • 交通費(実費)
  • 宿泊費(実費)
  • 日当(実費ではなく「出張した日数に応じて支給する定額」)← ここがポイント

交通費・宿泊費は「実際に使った費用の補填」なので非課税というのは自然だ。しかし日当は実費ではなく定額——つまり実際に使わなくても受け取れる現金なのに、非課税になる。

旅費規程を作れば法人でも使える

日当を非課税で支給するには、旅費規程(出張旅費規程)という社内規定が必要だ。大企業は当然作っているが、マイクロ法人でも自分で作れる。

旅費規程の例(1人法人の場合)

・国内出張の日当:役員 5,000円/日、従業員 3,000円/日

・海外出張の日当:役員 10,000円/日

・宿泊を伴う場合:宿泊費は実費精算

・日帰り出張でも日当を支給

これを規程として文書化し、その通りに運用する。「常識的な金額」であれば税務署も認める(過大な日当は否認される可能性がある)。

二重の恩恵

受け取る側(役員)

日当は給与ではないので所得税・住民税がかからない

支払う側(法人)

旅費・日当は全額法人の経費になる

役員報酬として払うと、受け取った側は所得税がかかり、払った側は法人税の計算上は経費になるが社会保険料も生じる。日当はどちらの負担もない。

なぜ廃止されないのか

大企業のサラリーマン全員、公務員全員が出張のたびに日当を受け取っている。廃止すると何百万人もの会社員・公務員が直接影響を受ける。政治的に手をつけられない制度の典型例だ。

マイクロ法人が旅費規程を作るのは、大企業と全く同じルールを使っているだけ。「マイクロ法人限定のズルい制度」ではない。